禁酒記録、深夜特急に続いて、エッセイを書いてみたい。タイトルは徒然草とする。理由は、中島らもに大きく影響されたということと、もともとエッセイを読むのが好きだからである。
特に、中島らもの『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』の中で、学生時代を回顧しているとのを読んで、非常に羨ましく思った。なぜなら、氏のように、面白おかしく、愛すべき題材となるような、そんな時間があったのだろうかと思ったからである。当時書いていた日記でも見れば良いのだろうが、そこまではしたくない。よって、なにか電球のようにひらめいたら、書いてみたいと思う。
では、大学の頃の話。
私の通っていた大学は坂の上にあり、7割くらいが原付かバイクを持っていた。ほぼ必需品であり、自転車だとかなり不便を強いられる。もちろんない人はない人なりの生活を作っていくのだろうが、行動範囲にかなり制限が加わったことは間違いがないだろう。
そんな原付とN君の話。
私はNといつものように、ダラダラと学食を食べていた。お気に入りは豚丼だった。以下が会話である。
N「あーもうバイト行かないかんわ。」
私「もう?てかまだ時間あるやろ?なんでこんな早く行くん?」
「いや、原付が壊れてしまったんよ。しち面倒臭いけど、バスとかで行かないかん。時間かかるからな。しゃあないわ。」
「んならおれの使う?どうせおれはお前がバイト終わる頃にはまだ学校で図書館とかにいるし、学校に戻ってきてくれたらいいよ。」
「まじか 助かるわ!ホンダのtodayやんな?サンキュー」
(そのころNとはよく一緒にいたので、お互いのバイクぐらいはわかっていた)
食事を終え、私はNと別れた。
しかし、1時間後、たまたま駐輪場の近くを通った私は目を疑った。なんと、私の原付があるではないか。堂々と、悠然と。形而上的にとても言えるくらい、私のtodayはそこに存在していた。
急いでNに電話をする。しかしバイト中のためか繋がらない。終わったら電話がかかってきた。
N「おう どうした?今から学校戻るわ」
私「どうしたもこうしたも、お前誰の原付乗って行ったんよ!?おれの原付はバッチリ学校にあるぞ!」
N「ホワッツ!?んじゃシートの中見て確認してみるわ。なんか確認できるのもあるかな。。。あった!てか鎖骨www」
私「鎖骨かよwww身内で原付パクんなよwとにかく学校戻ってこい」
この鎖骨とは、友人のあだ名である。今にして思えば、まったく気の毒なアダ名であるwふつうの女の子だったのだがwさらに、私だって顔は知っているくらいで、ほぼこの時が初対面だったw大学生なんて、本当いい加減なものである。
Nが学校に着く。なぜかNの彼女も一緒に来る。おそらく、鎖骨はそもそも彼女の友達だったのだろう。しばしお互いビックリした話をして、彼女が鎖骨に電話をした。
彼女「あのさー鎖骨 あんたが今困っていることあててあげようか?ズバリ、あんた原付がなくなったでしょ!?」
鎖骨「!?!?なんで!?あんた丸尾君!?てかエスパーマリック!?」
彼女「いやいや、違うんだって。アホ2人がさ。。。(ここで事情の説明に入った)」
いやいや、アホ2人とか言われたけど、待ってくれ。おれはただNにバイクを貸しただけだ。親切心だ。
そして、Nも悪いことはなにひとつしてない。ただ似たようなバイクに間違えて鍵を挿してしまっただけだ。どう考えても、私たち2人は悪くないではないかwww
悪いのはどう考えてもホンダである。これじゃあ、窃盗し放題ではないか!!!
とにかく、この後、鎖骨が学校に来て、なぜだか謝って、一件落着である。
バイクを間違えて鍵を入れる、それでなんとエンジンがかかってしまう、さらにその間違えられたバイクが友人のものであったというこの奇妙な事件。本当の話である。
その後、Nと彼女は同棲までしたものの別れてしまった。私もそのあとNとは紆余曲折あり、疎遠になってしまった。鎖骨をはもともとそんなに面識はないwww
しかし、それはそれでよいかな、とも思ったりする。人は人それぞれの世界で生きているわけだから、ある程度疎遠になるのは仕方がない。過去の思い出が楽しく輝いていれば、それで良いのではないか。
こうして振り返ってみると、ザ・大学生みたいな生活であり、出来事だったなあ。ホンダさん、リコールですよ。