禁酒ニーチェの深夜特急ブログ

禁酒をしつつ、深夜特急とロックに影響されすぎ、とことんなりきって書いてみます!

マレーシア②

 行先はマレーシアのペナン。高級リゾート地であり、世界遺産でもある。沢木耕太郎がささやかな青春を過ごして場所でもある。12月にこの地に行くことは、日本という冬から、夏に戻ることも意味する。いくばくかのワクワクと、ささやかな不安を感じていた。

 

 飛行機はいったん香港に到着した。漢字の表記は眺めているだけでなんとなく意味が分かってくるからおもしろい。私は、コーラ「可楽」を売店で買った。

 自分のゲートに行きぼんやりと飲んでいると、男女合わせて10人くらいのコーラス隊がやってきた。それぞれがサンタやトナカイの格好をしている。今日はクリスマスイブだった。

 彼らはギターやタンバリンに合わせ。クリスマスの曲を歌った。中でも、「ジングルベルロック」は、私の好きな曲だった。歌い終わると、自然と拍手が起こり歓声が上がる。彼らもまた、子どもたちにプレゼントを配る。このようなささやかな催しが、気持ちを明るくさせ、盛り上げてくれる。

 彼らがどういう団体なのかはわからないが、日本ももっと「楽しむ」ということに寛容になればいいのに、とか思ったりしていた。なんとなく、今の日本は息苦しく感じることがしばしばある。クレームを言ったもの勝ち、お互いが気を使いすぎて生活する。。。仕事のために生きているわけじゃあるまいし。

 

 そのようなことを考えつつ香港を出発した。ペナンまでは5時間。機内食ではビールとワインを飲み、マレーシア風ご飯を食べた。時間は十分にある。アデルやベートーベンの音楽を聴き、村上春樹の『風の歌を聴け』を読んだ。また、この旅の記録をつけたりした。そうこうしていたらついにペナンに着いた。

 

 空港を降りたとたん、東南アジア独特のねっとりとした空気が体を包んでくる。また、独特のにおいもする。日本から厚着をしてきているこちらとしては少々暑い。しかし、この暑さが気分を高揚させてくれる。ついに到着したのだ。

 タクシーを交渉し、宿に着いた。一家で営んでいるといった趣のある宿だった。わたしは自分の部屋に入ると半袖短パンになった。体は疲れているが、夕食をとっておきたい。また、少しでも街を見ておきたい。

 私は食べるところを探しつつ、散歩をしてみることにした。